派遣のメリットとデメリットは?
派遣だと残業が少ないって聞いたんだけど本当?
自由に働けてプライベートと両立できるの?副業とWワークもOK?
でも、派遣切りとか聞くし、長く働くことってできるのかな…
など色んな疑問がありますよね。
派遣会社のサイトを見ると、メリットは色々書いてあるけど本当かどうか、またデメリットはわかりづらいのではないでしょうか。
派遣のメリットデメリット!1000名以上の派遣スタッフを担当した営業が解説します。
派遣のメリット
派遣のメリットを
- 女性
- 男性
- 企業側
3者の視点からまとめました。
派遣のメリット(女性・主婦)
①残業が少なく、プライベートと両立できる
派遣の仕事内容や勤務時間などの条件は、事前に派遣元(派遣会社)と交わす契約(労働者派遣個別契約書)に定められています。
基本的には、契約で決められた範囲の仕事や条件でしか、派遣社員に指示することができません。これに違反すると、派遣元(派遣会社)も派遣先(実際に働く会社)も、罰則を受ける可能性があります。
そのため、仕事を選ぶときに、9時〜17時のように終業時間が早い仕事や、月に5時間程度など残業少なめの仕事を選べば大丈夫です。
一方、直接雇用の求人では、仕事内容が変わって急に忙しくなる可能性があったり、繁忙期の残業など柔軟に求められることが多々あります。
派遣社員でももともと残業が多い求人もありますので、最初の仕事選びの際に求人票で確認したり、派遣会社の担当者に残業について確認するようにしましょう。
しっかり残業が少ない仕事を選べれば、安定してアフター5を充実させることができます。
②希望にあった日数や時間の仕事が選べる、子育てやWワークとも両立できる
派遣の求人の場合、週2日、週3日、午前中だけの短時間勤務、など、働く日数や時間が少ないものが数多くあります。
これは、会社は社員を採用するときは人事規定で定まった条件で採用しなければなりませんが、派遣社員の場合は柔軟に条件を定めることができる場合が多いためです。
そのため、派遣社員の求人には、就業日数や時間帯がフルタイムに限らず、色んなパターンが増えていきます。
さらに、①と同じ理由で、最初にそういった仕事を選べば、あとから条件が勝手に変わることがありません。
最初の仕事選びが肝心ですが、希望の勤務地で、希望の日数や時間帯で、仕事内容や会社の雰囲気も良さそう、というドンピシャな仕事を探すのには苦労するはずです。
ひとつの派遣会社や求人サイトで探すのには限界があるので、派遣会社や求人サイトに拘らずに、色んなところでお探しすることをオススメします。
③事務職やオフィスワークの求人が多い
大手の派遣会社に登録すると、事務職やオフィスワークの仕事はたくさんあります。
仕事内容だけでなく、さらに勤務地や条件も自分にあったものをじっくり探すことができるでしょう。
一方、正社員で事務の求人となると急激に少なくなり、その時々や場所にもよりますが、大体やりたい人が4人いたらそのうち1人にしか仕事がありません。
正社員で事務職を探すのは、倍率が高いです。
また、事務職を希望するひとには、仕事内容や時間が安定していて、落ち着いて働きたいという場合が多いのではないかと思います。
そうすると、派遣社員であれば、契約で決められた内容や条件に限定されるので、その点もメリットになることがあります。
事務職やオフィスワークで仕事が探しづらい場合、派遣会社に登録してみるのも良いでしょう。
④産休育休がある
派遣社員であっても、一定の条件を満たせば、産休や育休をとることが可能です。
一定の条件には、出産予定日から6週間前の時点で派遣会社と契約期間があること、健康保険に加入していること(産休の場合)、1年以上同じ派遣会社で働いていること(育休の場合)などがあります。
ちなみに、休業期間の手当は、派遣会社からの給与という形ではなく、健康保険や雇用保険から手当が支給されます。
詳細は、派遣会社に確認する必要がありますが、派遣社員であっても基本的に産休育休取得が可能です。
派遣会社のHPで取得実績や就業規則など詳細の規定で公開されている場合があるので、確認してみましょう。
派遣のメリット(男性)
①副業・Wワーク・やりたいことと両立できる
女性のメリットと同様に、男性でも働き方が柔軟で少ないものが多くあります。
自営業、音楽活動、俳優業など、メインでやりたいことと両立しながら、収入を安定させることが可能です。
②直接雇用より短期間で稼げる場合がある
正社員の求人より、短期間でガッツリ稼げる高収入・高時給の求人もあります。
例えば、自動車メーカーの工場の求人は、年収400万〜500万以上稼げる求人もあるようです。
すぐにお金が必要な場合にも、日払いや週払いなど対応してくれる派遣会社があります。
短期間でお金を貯めて、海外旅行へ行きたい、車が買いたい、借金を返済したい、などという場合にもオススメです。
③大手企業で働くことができる
正社員ではなかなか受かることができない会社でも、派遣社員であればその仕事が未経験であっても受かることも多々あります。
新卒でしか入れない超大手の会社に入る、有名な会社で有名な商品の生産に携わる、大手の会社の人と知り合う、といったことも叶えることができます。
派遣のメリット(企業側)
一番のメリットは、企業側は派遣社員を雇用しないので、リスクが少ないということです。日本ではよほどのことでないと社員を解雇することができません。
派遣社員であれば、契約期間をしっかり満了すれば、いつでも契約終了させることができます。
また、社員を採用するときは、人事でルールや条件に規定があるのに対して、派遣社員を受け入れる場合には柔軟に条件を定めることができる場合が多いです。
派遣社員を、受け入れる時も、契約終了するときも、どちらも柔軟にできてしまいます。これは、派遣で働く人にとっては、デメリットになることです。
派遣で働くデメリットも考えて、決める必要がありますね。
派遣のデメリット
①雇用が不安定
↑にも書きましたが、企業側は契約を更新せずに、そのまま契約終了させることができます。
会社の業績が悪化したとき、社会情勢が不安定なとき、など、契約期間の満了をもって、そのまま契約終了ということが良く起こります。
②キャリアにつながりづらい
基本的に、派遣という働き方は、あくまで臨時の雇用であるという考え方が土台となります。
そのため、最長3年間という期間制限があるものがほとんどです。
最近では、法律も改正され、派遣労働者への研修が義務付けられたりしていますが、あくまで形式的なものでスキルアップにつながるものではないのが実態です。
また、基本的に契約で定められた仕事以外は指示できない仕組みとなっているため、仕事の範囲を広げることもしづらいです。
キャリアアップや長期的な雇用を希望する場合は、あえて派遣社員を選ぶことはオススメしません。
ただし、紹介予定派遣のように、派遣社員から正社員に切り替わることが前提の求人もありますので、そのような場合は例外です。
③仕事のペースがコントロールしづらい
派遣の仕事は、契約で定められた仕事を、定められた時間の範囲で、定められた指揮命令者(派遣先の上司にあたる人)から指示を受けて行うことが基本です。
そのため、指示を受ける仕事量やタイミングなどは、社員の指示次第となります。社員の指示がうまくなければ、自分でペースをコントロールしづらいので、ストレスに感じる場合があります。
せっかく早く仕事を終わらせても、その分手が空いたから別の仕事を振られたり、逆に暇すぎてやることがなかったり、ということもあります。
一概には言えませんが、自分の仕事を自分のペースで行いたい場合は、派遣社員はあまり向かないと思います。
④給与があがりいくい
仕事ぶりを評価されて時給があがることはありますが、数十円〜高くても百円程度の昇給が一般的です。
また、評価されていても、派遣先の状況や上司の考えによって、いくら長く働いても全く昇給しない場合も多くあります。
収入アップをしたい場合は、派遣社員として長く勤めるよりも、転職をしたり、副業をするほうが効率的です。
派遣のメリットデメリットを理解して働こう
まとめると、派遣のメリット・デメリットはたくさんありますが、長期的に派遣で働くことや、メインの仕事にするにはあまりオススメではありません。
なにか他にやりたいこと・やらなきゃいけないことをするために、サブで派遣で働いたり、短期で働いたりというのが、派遣のメリットを活かした働き方になると思います。
長く派遣で働いている人もいると思いますが、そのあいだに空いた時間やエネルギーを他のことに使うことをオススメします。
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