派遣で契約解除・契約終了になったんだけど、こんなとき何か補償はないの？
まだ契約が残っているのに、突然来週から来なくて良いと言われた…
契約更新があると思っていたのに、次回の契約はないと終了日まぎわに言われた…
とくに突然の話だと、次の仕事が見つかるまでのあいだ、補償がなければ生活にも困ってしまいます。
この記事では、派遣の契約解除や終了のときに、どんな場合に補償があるのか、知らないと損な知識をご紹介します。
派遣の契約解除・契約終了時に補償はあるの？1000名以上の派遣契約を担当した元派遣営業が解説します。
この記事はこんな人にオススメ
- 契約解除・契約終了を告知された
- 契約解除の補償について知りたい
派遣の契約解除・終了の補償には終了理由が大事
理由はさまざまだと思いますが、大事なのは自己都合退職と企業都合退職の2パターンに分けられるということです。
自己都合退職と企業都合退職の違いについてご説明します。
自己都合退職とは
自己都合退職とは、自ら退職を希望するケースです。
例えば、他の仕事を希望して転職することや、家族の介護や病気など、自身の都合によって退職を希望した場合に、自己都合退職という扱いになります。
派遣だと、契約期間中の途中退職を希望したり、契約更新があるのに更新を希望しなかったという場合などが、自己都合退職にあたります。
失業給付金を申請する際に、自己都合退職だと、企業都合退職より支給までの早さや支給の期間などの点でデメリットがあります。
企業都合退職とは
企業都合退職とは、企業の都合によってやむをえず退職をしなければならないケースです。
例えば、経営状況の悪化によっての人員削減や、契約期間がもともと定められている契約など、企業の都合によって退職をしなければならない場合に、企業都合退職という扱いになります。
派遣だと、企業都合によって契約途中で終了させられたり、契約更新がされなかったり、最初から短期の契約だったりという場合などが、企業都合退職にあたります。
ただし、派遣の場合、派遣先ではなく派遣会社と雇用契約を結んでいるため、派遣会社によって自己都合か企業都合か判断をされます。
ここで注意が必要なのは、契約の終了理由が企業都合であったとしても、同じ派遣会社からの別の仕事紹介を断った場合、自己都合と判断されることがあります。
退職理由が自己都合か企業都合かどちらの扱いになるかは、派遣会社の担当へ、必ず確認したほうがよいです。
派遣会社の担当によっては、知識がなくて分からないこともありますが、その場合も社内でしっかり確認をとってもらいましょう。
失業給付金を申請する際に、企業都合退職だと、自己都合退職より支給までの早さや支給の期間などの点でメリットがあります。
派遣の契約解除・契約終了の違いと補償の有無
賃金が補償される場合、法律で休業手当と休業補償というものがあります。
休業手当と休業補償は異なるものですが、病気や怪我、介護、産前産後、育児、労災、企業都合による休業などの場合、賃金が補償されることがあるということを覚えておきましょう。
ここでは、企業都合による派遣の契約解除・契約終了時に、補償がでるかどうかについてご説明します。
派遣の契約解除について
契約解除とは、まだ契約期間が残っているのに、期間を満了せずに途中で契約を解除することをいいます。
企業都合による契約解除の場合、基本的には休業手当の対象になります。
例えば、派遣先の業務都合で仕事がなくなった、能力不足を指摘されて終了になった、不況による人件費削減で契約解除になったなどは、すべて企業都合となります。
よほどのことがない限り、契約期間が定まっているものに対して、補償もなしに契約解除することはできません。
例外としては、地震や台風などの自然災害による会社の休業、ストライキによる休業など、企業には過失なく不可抗力な場合くらいです。
休業手当の支給となる前に、派遣先や派遣会社は、別の就業機会の確保をする義務があるので、それができなかった場合に休業手当が支給される流れとなります。
派遣の契約書（労働者派遣個別契約書）に、契約解除についての記載があるはずなので、確認してみてください。
契約期間の途中での契約解除は、よほどのことがなければ、別の仕事の紹介されるか休業手当の支給対象になるので、なんの補償もない場合にはおかしいと思ったほうがよいです。
派遣の契約終了について
契約期間を最後まで満了したうえで次回更新がされなかったという場合、基本的には休業手当の対象にはなりません。
でも、契約終了日の直前に、突然次回更新がないと言われたら困りますよね。
そんな場合には、法律で「雇止めの予告」について定められているので、覚えておきましょう。
契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている場合、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、更新がない旨の通知をする必要があります。
もし、これに違反した短い予告期間だった場合は、たりない期間の契約延長か、その分の休業手当支給について主張できます。
突然、更新がないと言われて理不尽に感じたときは、「雇止めの予告」の条件に違反していないかチェックしてみてください。
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雇用保険加入者は条件を満たせば失業給付金をもらえる
休業手当の対象にならなかったとしても、一定の条件を満たしていたら、国の制度で失業給付金をもらえることがあります。
一定の条件とは、離職日以前の2年間に雇用保険加入期間が通算12カ月以上あることです。
失業給付金を申請するときは、退職理由が自己都合よりも企業都合のほうが優遇されるので、退職理由がどちらになるかは注意が必要でしたね。
失業期間中の給付のほかに、再就職手当といって、再就職が早く決まった場合に受け取れる制度もあります。
申請先は、お住いの地域を担当しているハローワークになりますので、該当する可能性がある場合は、早めに確認しておきましょう。
派遣の契約解除・終了時にやっておくべきこと
この記事では、派遣の契約解除・契約終了時の補償や、やっておくべきことをお伝えしてきました。
この記事をまとめると以下の通りです。
- 派遣会社に退職理由が企業都合退職になるか確認する
- 契約解除されたら派遣会社に休業手当の対象になるか確認する
- 契約終了（契約期間は満了しているが更新がなし）の場合は「雇止めの予告」に違反していないか確認する
- ハローワークにいって失業給付または再就職手当がでるか確認する
知らずに損してしまうことがないように覚えておきましょう。
もちろん、次の仕事探しも並行して行うべきです。
早く良い仕事を見つけるためには、いくつか複数の派遣会社や求人サイトに登録しておいたほうがよいです。
同じ派遣会社からの紹介をまつだけなく、自分で積極的に動いていくことが大事ですね。
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